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佐藤和夫>読書> イギリスのごはん

 イギリス都市生活する典型的な家族の、一週間分の食事メニューという形で、イギリスの家庭料理を紹介しています。 イギリスの料理は、一言で言うと、日本の醤油文化、イタリアのトマト・ペースト文化に対して、塩の文化です。 これを、料理の絵と簡潔な文書で表現しています。
 さらに、4つの地域でかなり食生活が異なるため、地方による違いに触れています。 また、日本と同じく四季がはっきりしているため、それによる食生活の変化を紹介しています。

感想


 イギリス食生活の特徴がよく分かりました。 なぞも解けました。
  1. 調味料が塩主体、副でリンゴなので、料理にアミノ酸が不足してますね。 日本人がイギリス料理はまずいと思うのは、これが原因なのかと思い当たりました。
  2. イギリスは日本より北国なので、取れる食材は限られています。 主にそれを用いて食事を作りますが、さすが大英帝国のなごりで、各植民地からの飲み材?(お茶などの材料)、香辛料を加えています。
    たとえば、イギリスと言えば紅茶、日本にも伝わったカレー香辛料、砂糖、ココアなどが植民地から安価に輸入され、根付きました。 この本では触れられていませんが、固形のチョコレートはイギリスで発明され、少なくともロンドンでは主食ではないかと思えるほど、方々で売られています。
  3. どうやら、イギリスごはんの特徴は、主食よりも、飲み物やデザート、ジャムにありそうです。 硬水の水を生かした紅茶は、入れるのにとても神経を使っています。 夕食にはデザートが欠かせないようです。 アップルジャムやその他のジャムも豊富です。 個人的には、イギリスのちょっとビターなオレンジジャムが好きです。
 食事は文化の一面です。 旅行好きのみならず、世界の文化に興味を持っているすべての人に、お薦めの本です。

 なお、この本は2009年に出版されていますが、ごはんシリーズの最新刊である「ハンガリーのごはん」 を読むと、料理を見る視点がより整理されており、著者が一作ごとに工夫を重ねている様子が見えました。

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基本情報

書名: イギリスのごはん
著者: 銀城康子さん   絵: 萩原亜紀子さん
ISBN:  978-4-540-091177-3
出版日: 2009-10-30
出版社: 農文協
読書日: 2020-6-05