使ってみて役に立った、画家達の名言集/p3

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水彩画ネットワーク 退職後水彩画を描き始めた人へ


ようこそ! (2018年03月24日 土曜日更新)

3. 中級編(3年ぐらいたって、少しなれた頃に効く名言)


3.1. 具象画は構図8割色彩2割、抽象画は構図2割色彩8割[奈良市四季彩会S会長]

 
 <解釈>
 水彩画を習い始めて3年目ごろに、色彩感覚がないな、構図も今一だなと感じていたころに、これを教えていただいた。 初心者はえてして構図も色彩もになりがちであるが、「具象をやるものとしては、まずは構図が大事である」ことを教えていただき、それに注力するようになった。 これにより、迷いがふっきれ、絵も一段階上達したとその当時感じたものである。

 見方を変えればこの名言は、色彩感覚が優れたものは抽象画に進め、とも解釈できるであろう。
また、この名言に感銘を受けた筆者は、構図探しに明け暮れることになった。 常に「めずらしくて気持ちの良い」構図がないか、眺めていると、ときどき、これだ! というものに出会った。 たとえば、つぎのような構図である。

(絵をクリックすると拡大します)
  
図3-1-1 カムチャッカの鐘(F8)
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(2016/6/22変更) (2015/5/2追記) (2014/2/8追記) (2012/7/01記) 


3.2. 絵は離れて描け[佐久市K先生]

 
 <解釈>
 絵は画板から50cmぐらい離れて描く関係上、どうしても点とか線が細く描くし、構図も特に大きい絵の場合は全体感が取りにくい。
 一方、観る側は絵から離れた所から見始め、興味があれば近づいて見てくれるだろう。 ただ、50cmまで近づいたりしない。 遠くでは細い点とか線は見えない。 残る物は、太い構図である。

 観る側の論理に立って、客観的に描いてゆくには、「離れて描く」事である。 具体的に言うと、描いている途中で部屋の隅、出来れば少なくとも、対角線の二倍ぐらいは離れて出来具合を観ることである。そうすると、点、線の太さ、構図などが、観る側にとって心地よいかどうか確かめられる。


(2014/2/8追記) (2013/2/10変更) (2012/7/02記) 


3.3. 風景の構図は近景、中景、遠景[奈良市島田先生]

 
 <解釈>
 風景では奥行き感が重要になる。 そこで、近景として木や枝を入れて、絵中風景の大きさを示す構図が良く行われている。 山などでは遠くの山々が美しいので、つい山のみを描いてしまうが、それでは遠景の山の雄大さが観る人に伝わらない。
 近くの木と遠くの山をつなぐ中景は、大切な役割を持っている。 中景は近景と遠景が、連続して「同じ風景の中」であることを示す役割を持っている。 したがって、木があっていきなり山が出てくるのではなくて、途中に道とか林とかでつないで行く。 家とか人とかを中景の中に点在させることも良く行われている。 これらは、人間にとって大きさがよく分かるものであるので、いかにも中景の大きさが分かりやすく、奥行き感を出すのに効果的になる。 また、近景としては、人とか、傘とかも良いのは同じ理由による。

 つぎは、人物と欄干を近景、ボート、林のある半島を中景、山を遠景にした例である。 なお、その間のつなぎを湖が担っている。
(絵をクリックすると拡大します)
  
図3-3-1 バラギ湖の夏(F8)
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(2016/6/22変更) (2014/2/8追記) (2012/12/21追記) (2012/11/13記) 


3.4. 室内の構図は実物大で[奈良市島田邦麿先生]

 
 <解釈>
 花、果物などの静物や人物を描くときには、ほぼ実物大が「現実感」があって良い。 人は室内のものは見慣れているので、実物大だと違和感がないのであろう。

 そうすると構図はバラとか椿の花で説明すると、次のような感じか。水彩画のF2(縦192×横245mm程度)だと、たとえば↓のように花数輪程度がやっとであろう。
(絵をクリックすると拡大します)
  
椿-2号(F2)
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F4(縦332×横242mm程度)だと、たとえば↓のように花瓶に挿した一枝の椿に、彩りのリンゴなどという構図になる。
(絵をクリックすると拡大します)
  
椿-4号(F4)
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F6(縦407×横320mm程度)、あるいはF8ぐらいになると、花一枝ではおさまらなくなり、いくつかのものを組み合わせることになる。 たとえば↓貝とかガラス玉との組み合わせがある。 また、何本かのバラを組み合わせて変化をつけることも考えられる。
(絵をクリックすると拡大します)↓
  
海-追憶(F6)
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バラ(F8)
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・関連記事
 ├1.2. 絵画の鑑賞は、対角線の二倍
 ├3.3. 風景の構図は近景、中景、遠景
 └4.1. 良い絵は遠くから光っている。ほかの絵とちがう

(2016/6/22変更) (2014/2/8追記) (2013/5/2変更) (2013/1/11記) 


3.5. パレットよりもヨーグルトの外ぶた[筆者]

 
 <解釈>
 入門時に図3-5-1右上のようなパレットを買うだろう。 写真のは筆者が絵を習い始めたときから使っているものであるが、年月を経て薄汚れている。
  
図3-5-1 ヨーグルトの外ぶたとパレット
 
中級になるころには、このパレットに不満を覚える。 すなわち色を色々のせるには狭すぎるのである。 そこで多くの方はより大型へ買い換える。 それでも「絵を描くたびに」パレットを洗わないといけない。 すなわち、大型でも狭すぎるのである。
 そこではたと考えた。 図3-5-1左(パレットの他)のようなヨーグルトの外ぶただと、いくつでも買い足せる。 第一、ヨーグルトは健康によいので、ここの読者はおそらく毎日飲んでいる。 すなわちただで廃物利用が出来る。 これで新しい絵を描くたびに洗わないですむ他に、絵の具代もわずかであるが節約できる。

 実はその他の思いがけない福次効果が大きかった。 絵がうまくなるのである。 写真の外ぶたは今使っている物であるが、一つの外ぶたに複数色を載せている。 それを混ぜてゆくと、地味で複雑な色を「多様に」造ることが出来る。 パレットの時代には塗る色は「パレットが小さいために」単調にになりがちである。 外ぶたは沢山用意できることの多様性のほかに、混ぜたい色を「外ぶた同士を」近づけることによって、さらに多様に出来る。
 論より証拠、筆者の水彩画ギャラリーを観ていただきたい。 ギャラリーは古いものが下、新しいものは上に来るように並べてある。  2009年8月ごろから外ぶたを使い始めている。 2011年末頃にはそれの使い方に慣れてきている。 使っている中間色に注目していただきたい。

 この方法のポイントは次の通り。
(2017/3/1追記) (2014/2/8追記) (2013/5/21追記) (2013/5/18記) 


3.6. だんだん筆が太くなってゆく[奈良市みずほ会T先輩]

 
 <解釈>
 T先輩を含め、筆に対する先輩方の行動を見ていると、共通するある法則があるのに気がついた。 すなわち、全員だんだん使う筆が太くなってゆくのである。

 思い起こせば絵画教室入門に際し、画材店にお任せで買ったのが図3-6-1の左側3本の筆であった。 あとで知ったのであるがそれぞれホルベインの4号、10号、12号である。
 2年ぐらいたって、先輩方の行動を見ていると、筆者の筆より太いのを使っているではないか。 聞くと、「太い方が大きな面を塗るのが楽なのよね」という返事が返ってきた。 それで先輩方に合わせて、図3-6-1の真ん中14号の筆と平筆を買ってみた。 実際に使ってみると、平筆は大きな面を塗りにくいことが分かり、没になり、14号が生き残った。
 しばらくその生活が続いていたが、2年ほどたつと、また先輩方の行動が変わってきた。 更に大きな筆を求めているのである。 節操もなく後を追い、図3-6-1の右側16号と習字用の太筆を買ってみた。 実際に使ってみると、習字用太筆は腰がやや弱くそれが不満で、没になり、16号が生き残った。

 ということで、今日現在は一番太い16号と、一番細い4号を使って水彩画を描いている。 真ん中の10号から14号は使わない。 太いのを使いたがるのは、画板の大きさとも関係があると思う。 入門のころは6号を使っていたが、8号や10号を画材によっては使うようになった。 10号画板になると塗る面積が6号に比べて3倍ぐらい広い。 筆が太いと絵の具の含みがなにせ大きいので、塗るのが楽なのである。
 もう一つ、実は4号もほとんど出番が無い。 みんなの腕が上がり、極端に言えば16号筆だけで用事が足りる。 力のいれ具合一つで、4号から16号の太さを描き分けられるようになってきたのである。 世の中には16号よりも大きな筆もあるようなので、また2年たてばT先輩も今度は18号をほしがるのではないか、と想像している。
  
図3-6-1 筆者の筆
 

(2017/3/5追記) (2014/2/8追記) (2013/6/17記) 


3.7. 水彩では水彩紙が1番ミソ![ひたちなか市藤枝しげと先生]

 
 <解釈>
 過日、画材店を営んでいる、御代田町のグレージュ店主と雑談をしていた。 僕が、「水彩は描くときに水を大量に含ませるからか、途中で紙がどうしてもまがってしまい、描きにくいんですよね。」とこぼすと、店主が「こんなものが最近あるのですよね」とみなれない水彩紙を持ってきた。

 早速買い求めてみた。
買ったのは一般にはブロック紙と呼ばれる、何枚かの紙を束ねて四隅をのり付けしでできた図3-7-1(左の図)のようなものであった。 本は一面をのり付けして製本するが、こちらは四面をのり付けしたものと思えばよいかも。 描き終わると、ペーパーナイフか何かで、一枚ずつ切り離してくださいとのことである。 ちなみに今まで使っていたのは、図3-7-2(右の図)のような何枚かの紙を束ね一面を螺旋状の針金で綴じてあるもので、スパイラル紙と呼ばれている。 この図では上のほうが螺旋状に綴じられている。
  
図3-7-1 ブロック紙の例
  
図3-7-2 スパイラル紙の例
 
他には板に一枚一枚紙を貼る方法が良く紹介されているが、携帯性に欠ける欠点があり、しろうとが扱うには荷が重いと思う。

 次に描いてみた。
結論から言うと、図3-7-3(左の図)のようにブロック紙はわずか1mm程度の紙の浮きがあったのに対して、スパイラル紙は図3-7-4(右の図)のように1cm以上の浮きのみならず、波打っている。 同じ水彩専門の紙と言え、こと紙のまがりに関してはブロック紙の圧勝であった。 
  
図3-7-3 ブロック紙のまがり
  
図3-7-4 スパイラル紙のまがり
 
ブロック紙の使用感を次に述べる。
  1. 水彩画を描いている途中では斜めの光線が入り、それが紙のまがりによる陰影につながる。 これが原因で、スパイラル紙の場合、描きにくいのであるが、ブロック紙ではまがりがほとんどないので、それによるストレスがなく、絵が描きやすい。
  2. 描き終わり写真に撮るときは、色再現性がよい自然光でやりたいものである。 ところが自然光ではえてして絵に対して斜めの光になる。 そうするとスパイラル紙では、紙のまがりによる陰影が気になっていた。 ブロック紙ではこれも気にならなく、写真撮影がやりやすい。
  3. 今回買ったブロック紙はホワイトワトソンブロック(HW3)(F8)であったが、今まで買っていた各メーカーのスパイラル紙にくらべ、色白で目が細かった。 絵具の乗りが非常に良く、今回の画題にマッチしているようで、気持ちよく描けた。
  4. 一時に一枚しか描けないので、特に屋外持ち出し風景画作成時に不便なことが、欠点といえば欠点である。
今回、ブロック紙を使って描いて撮影してみた作品の、出来映えを紹介する。
(絵をクリックすると拡大します)↓
  
図3-7-5 手入れ(F6)
  └→詳しく見る

 なお水彩用紙の使い勝手に関しては、今回取り上げた「紙のまがり」以外に、紙の色、目の粗さ、丈夫さなどのいろいろな違いが影響しているようである。 どの紙がよいかは、個人の好みや画題によるところが大きいので、興味があれば藤枝しげと先生これが1番ミソ!を読むと参考になるかも知れない。
 またこの節のテーマに直接関係ない話であるが、図3-7-6のように、今回8号の紙に6号で絵を描いてみた。 余白が額縁のようであり、描いている途中から額縁効果で、あたかも腕が上がったような気になり、大変気持ちよかった。 額縁効果については4.4. よい額は、自分に合った服のようなものを参照。

  
図3-7-6 額縁のように余白を残して、絵を描く
 
・関連記事
 ├これが1番ミソ!藤枝しげと先生
 └4.4. よい額は、自分に合った服のようなもの

(2017/3/25訂正) (2016/6/22変更) (2014/2/8追記) (2014/1/1記) 


3.8. 錯覚に慣れて、飼い慣らす[筆者]

 ├ 3.8.1 下描き時の錯覚および、その対処法
 └ 3.8.2 彩色時の錯覚および、その対処法
 
 <解釈>
 そもそも具象画は、少し大胆に言ってしまうと、二次元で描いたものを三次元の立体と、人間の脳に思いこませる、すなわち錯覚させる技術である。 出来上がった絵が観る人を上手くだませると、「この絵は奥行きがあるね」とか「まるで家に見える」とか知覚してくれる。
 このことは裏返して画家の立場から観ると、自然界の物体を間違って認識してしまうことになり、絵を描く時に少々困る場合が出てくる。
 世の中で害になる錯覚の例として、車の車幅を紹介しよう。 車幅は、車が丸みをおびているか、寒色系であると、小さく錯覚してしまう。 その結果、車同士のすれ違いの時に擦りやすい。 絵を描くときには、錯覚したまだと、小さく描いてしまう。 実物より車を小さく描いてしまうと、絵全体のバランスが崩れ、絵をまとめる=下描きに苦戦することになる。
 
 実に色々な錯覚があるようだが、ここでは絵を描いているときに、筆者が実際に困った錯覚五点と、それへの対処法を紹介してゆこう。 
 錯覚五点を次のように作業工程順に分類して説明してゆく。

 3.8.1 下描き時の錯覚および、その対処法

 絵を描くにはまず下描きとして、鉛筆などで形を写生する訳だが、ここで多くの方は、角度が違う、大きさが合わない、長さが取れないので四苦八苦する。
 それの原因の一つとして考えられるのが錯覚である。 錯覚してしまうために、現実を正確に認知出来ない → 認知のまま描くとうまく写生できない という流れである。

 まず、下描き時の錯覚の例を挙げる。
(写真をクリックすると拡大します)↓

引用: 図3-8-1 左建物の右側傾斜角度に影響されて、右のほうの建物角度を錯覚してしまう。
 

引用: 図3-8-2 周りが大きいと、小さく錯覚し、周りが小さいと、大きく錯覚してしまう。
 

引用: 図3-8-3 同じ長さでも、縦の方が長く錯覚してしまう。

 錯覚すると写生時に、上級者でも形を取るのに苦労するようで、対処法も色々編み出されている。 形の錯覚への対処法を整理して、次に紹介しよう。
  1. 絵を描く対象を、パーツに分けて考える。 パーツとは花瓶とか、家とかである。 パーツで絵を構成するという世界観である。 次に、パーツを四角とか三角とか、丸でおおざっぱに表現する。 筆者は四角で表現している。 下のスケッチに残る縦横の線が、その名残である。 人物なので、顔、胴体、足で3つのパーツとしている。
    (絵をクリックすると拡大します)↓
      
    図3-8-4 人物10分スケッチx2・その1

  2. 各パーツ間でバランスが取れているかどうかを、対象のそれと比較して、同じバランスになるように修正してゆく。 このときに、パーツ内の細かいところに目が行かないように、意識して気をつけることがポイントである。
  3. パーツ間の配置が決まったら、今度はパーツ内だけを注視して下描きを、パーツごとにやってゆく。 このときは、決して注視するパーツの外側は観ないのが、ポイントである。 上の絵で言うと、顔を描いているときは、顔だけ注視しながら作業する。
  4. 人物では斜めの線の角度に苦労するが、上のようにしてやれば、わずか10分間のスケッチでも、バランス良く絵を描けた。
  5. 対象を写真に撮り家に帰ってから、出来れば絵と等倍にして比較するのも、間違いを見つけるには有効と考える。
 見方を変えて、形の錯覚を起こしやすい対象物と、そうでもないものがある。 それが分かっていれば、錯覚を起こしやすいものは、気をつけて描くとか、なるべく描かないですませるといった作戦が取れる。
 形の錯覚が多い例は建物、特に寺院の三次元のカーブを持つ屋根は鬼門である。
繰り返しの多い瓦屋根を見てしまうと、反対側の瓦の傾斜角度を読み間違えてしまう。 同様に屋根下の梁の繰り返しも見てしまうと、その反対方向の梁の角度を錯覚してしまう。 ある先生曰く、法隆寺の五重塔を描ければ一流、だそうである。 さらばということで、筆者も描いてみた↓
  
筆者も描いてみた
  └→詳しく見る

が、五重塔は二度と描かないと思ったぐらい、苦労した。 特に、屋根を下から見上げる構図は難しいと感じた。 梁の錯覚の魔力である。

 3.8.2 彩色時の錯覚および、その対処法

 具象画では下描きが終わると、一番薄い(明度の高いというか明るい)ところに合わせて下塗りし、その上に色を重ねて彩色してゆく。 彩色工程では、色を塗ってゆくにつれて、明度が変わってゆく、色合いが変わってゆく、という現象に直面し、苦労することになる。
 それの原因の一つとして考えられるのが錯覚である。 錯覚してしまうために、現実を正確に認知出来ない → 認知のまま描くとうまく彩色できない という流れである。
  まず、彩色時の錯覚の例を挙げる。
  
図3-8-5 周囲に暗い色を塗ることにより、それに影響されて明度(明るさ)を錯覚してしまう。

(写真をクリックすると拡大します)↓
 同じ犬 
引用: 図3-8-6 黄色と青色の犬が描かれているように見えるが、双方同じ黄土色!
周囲の色を塗ることにより、それに影響されて色を錯覚してしまう。
 
 彩色時の錯覚は、色塗り作業中常におきている。 明度・色の錯覚への対処法を整理して、次に紹介しよう。 
  1. 明度・色の錯覚ともに、周りの環境の影響を受けたのが、錯覚の原因であるので、それへの対処が必要となる。
  2. 部分的に完成させていくやり方は、完成後に周りを完成するたびに、錯覚への対処が必要となる → すなわち修正を迫られる。 たとえば、空を完全に描き上げ、その後に森を描き上げるというやりかたは、そのたびに新たな錯覚への対処を迫られることになる。 これは無駄が多い。
  3. そこでお勧めは、絵全体を下塗りし、完成したところで、その上に色を重ねて彩色してゆく方法である。 つまり、まんべんなく手を加えることにより、徐々に絵を完成させてゆく。 具体的な手順は2.6. 下塗りは一番薄いところから2.7. 彩色は白色、黒色を使わないを見ていただくと、イメージをつかめるだろう。
  4. つまり、徐々に環境を変化していって、錯覚の影響を弱めようという対処法である。
  5. 錯覚の他に、水彩画の場合は時間経過と共に色あせが起きて、時間と共に色が薄くなって行く。 これは、絵の具が画板である紙にしみこんでゆくために、表面に残る色素が少なくなってしまうことから起こる。 感覚的には、これが落ち着くためには一週間ぐらいかかる。 これへの対処としては、落ち着いたらもう一度、手を入れることになる。
 明度・色の錯覚への対処法として、徐々に全体的に濃くしてゆく例を紹介する。 油絵の場合はこの例ほど徐々にやる必要は無いが、水彩の場合は一度濃くすると後戻りが難しいため、下のような感じでやってみると、良いだろう。

  
図3-8-7 下描き完了。
主題である手を下塗り
 
  
図3-8-8 下塗り完了。
手が明るい感じに変化(錯覚)
 
  
図3-8-9 徐々に彩色開始
 
  
図3-8-10
周りが固まってきたので、手に加筆
 
  
図3-8-11
細部に加筆し、全体のバランスを調整。
ここまででほぼ完成
 
(絵をクリックすると拡大します)↓
  
図3-8-12 お花(F6)
  └→詳しく見る


(2017/6/5変更) (2016/6/22変更) (2014/6/4追記) (2014/5/19追記) (2014/4/27変更) (2015/4/23記) 


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