>読書感想>ヤマダさんとポンキチ

>読書> ヤマダさんとポンキチ

 タヌキのポンキチは、お母さんタヌキが人里へ食料を求めに行ったまま帰ってきません。
物語りは、妻に先立たれた定年退職後のヤマダさんと、ポンキチとの交流が、いくつかのエピソードにより進行してゆきます。
 小学校高学年向きの、コスモス文学新人賞(童話部門)受賞作品です。

感想

 愛する者を無くした同士のほのぼのとした交流と、その底に流れる寂寥感を、ほのぼのとしたタッチで描いている感じがします。 たとえて言うと、英国式のオレンジ・ママレードをたっぷり塗ったパンを食べたときのようです。 こくのある甘さの後に感じる、軽いビターなほろにがさ・・・
 挿絵は油絵作家の中井敦子さんによるもので、画家らしく中間色を多用し、文のほのぼのしさを生かしているような気がしました。

 小学校高学年および、人生のたそがれを感じている人に、お薦めの本です。

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基本情報

 書名: #ヤマダさんとポンキチ
 著者: #多田雅子さん   絵: 中井敦子さん
 ISBN:  #978-4-931553-16-3
 出版日: 2014-10-01
 出版社: #中井書店
 読書日: 2014-11-04

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