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佐藤和夫
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読書/いずれの日か国に帰らん
『
ふしぎなえ
』で著名な、水彩画、挿絵を描かれていた安野画伯が、最近亡くなられました。
そこで、絵とエッセイからなる、画伯の本を読んでみました。 主題の「国」とは、画伯の生まれ育った所である
津和野
のことです。
絵は
、裏日本にある小さな盆地の城下町、津和野町の風景です。
いずれも俯瞰図で、地味な色と細い線で構成されています。 絵にはこれと言った中心がなく、しいて言えば、虫眼鏡で主題を捜すという描き方です。
エッセイは
、津和野に住んでいたころに交わった人達との思い出が、一人一章という感じで構成されています。 また、小さな町にもかかわらず、明治維新後多くの学者、文化人を輩出しています。 これらの方々についても、思い出を述べています。
最後の方は、弟さんとその関係者を巡る、交わりと、弟さんの描いた絵で締めくくられています。
感想
絵を観るにおそらく、まじめに生きた、繊細な方だと想像します。
画伯の卓越した才能は、
絵の構成力
にありと、読みました。
エッセイでは、子どものころの出来事を、老後も覚えているのに驚嘆します。 その出来事を淡々とした筆致で書いています。 まるで、画伯の描く絵のようです。
それにしても津和野町は、小さな街に沢山の、有名人を輩出したものです。 実に不思議です。 明治維新以降です。 何があったのでしょうか。
弟さんは76才で、随分前に亡くなられています。 この本のタイトルは、弟さんに手向けられたもののような気がしました。
この本には関係ありませんが、推理小説の世界では、津和野は殺人事件の舞台として、随分人気があるようです。
一度、画伯の愛した津和野に行きたいものです。 きっと、昔住んでいた奈良に似て、春秋の朝は、雲海の下だと想像します。
タグ:
#佐藤和夫ようこそ #本 #読書 #読書感想文 #書評 #読書感想 #画伯 #津和野町の風景 #エッセイ #弟
基本情報
書名: #いずれの日か国に帰らん
著者: #安野光雅さん
ISBN: #978-4-63-415130-7
出版日: 2018-04-25
出版社: #山川出版社
読書日: 2021-02-07
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