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佐藤和夫>読書> ドイツのごはん

 ドイツ都市生活する典型的な家族の、一週間分の食事メニューや行動形式、歴史的な食糧事情を踏まえたメニューの事情など多彩な切り口で、簡潔に絵を交えながら紹介しています。
 ドイツはやや縦長な四角形で、南側でも北海道ぐらいの気候、北側になると寒冷で作物はあまり取れず海産物になります。 また四季がはっきりして冬は厳しいです。 これらの気候風土やドイツ人の気風が、食事を通して感じられるように構成されています。

感想


 少ないページ数でしかも絵主体なので、気楽に読めます。 ドイツの食生活のみならず、なぜそういうスタイルになったのか、歴史や風土をもとに説明されており、短時間でドイツ食文化が分かる充実した内容になっています。 
  1. ドイツと言えばソーセージです。 多様なソーセージがあり、食欲をそそります。 原料となるのは豚ですが、秋に豊富に実るドングリ=ドイツの風土が深く関係していることが分かります。 厳しい冬は、これらを食べて乗り切ります。
  2. もう一つ、この本でも出てくる、春を告げるぶっといホワイト・アスパラです。 これを食べると、やっと厳しく長い冬が終わって春が来た、と実感します。
  3. 食事スタイルは、ドイツの東ハンガリーによく似ていますね。 オーストリア・ハンガリー帝国(ドイツを含む)時代の名残でしょうか。 詳しくはごはんシリーズの、「ハンガリーのごはん」をご覧ください。
  4. この本が書かれた2008年から12年が経過し、ヨーロッパ内の多様な食材が容易にドイツでも手に入るようになりました。 ごはんもその影響を受けて、最近では特に生野菜を積極的に食べるようになりました。
 食事は文化の一面です。 「ドイツのごはん」は特にこの面を掘り下げています。 旅行好きのみならず、世界の文化に興味を持っているすべての人に、お薦めの本です。

 なお、この本は2008年に出版されていますが、ごはんシリーズの最新刊である「ハンガリーのごはん」 を読むと、料理を見る視点がより整理されており、著者が一作ごとに工夫を重ねている様子が見えました。

基本情報

 書名: ドイツのごはん
 著者: 銀城康子さん   絵: マルタン フェノさん
 ISBN:  978-4-540-07221-5
 出版日: 2008-01-15
 出版社: 農文協
 読書日: 2020-10-30

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